血を吸う眼・呪いの館 [吸血鬼]

◆・血を吸う眼・呪いの館 (1971年 東宝)

 監督 山本迪夫 脚本 小川英 武居勝

出演
岸田森 藤田みどり 江見早苗 高橋長英 大滝秀治  高品格

◆・ストーリー

 中学の美術教師(藤田みどり)は、ある日突然、飼い犬が自分を
無視して走り出した事をきっかけに幼少時に見た夢を思い出す。
それが発端となり、その直後から周囲に不気味な現象が次々と起こる。
 送り主不明の不気味な棺桶が届けられたり、意識障害で倒れた行方不明の
女性の出現など、湖畔の周辺で不思議な事件が続発する。

 別荘の管理人(高品格)と妹(江見早苗)が吸血鬼の餌食になってしまうが、
美術教師は、恋人の医師(高橋長英)の助けの下、催眠術によって幼少期の頃の
恐怖体験を思い出し、原因解明の為に故郷にある謎の洋館に行くと、そこに
全ての秘密を暴く鍵があった。
◆・レビュー

「岸田森」が、ジャパニーズホラー・吸血鬼の第一人者となった記念すべき
作品である。身のこなしから、雰囲気、表情まで、まさに適役といえよう。
 ドラキュラに血を吸われた女性が、また吸血鬼になるというパターンも
踏襲されており、日本人女性が吸血鬼に変身して襲ってくる姿は、
西洋人とはまた違った趣があって独特の雰囲気が味わえる。

 美術教師が、まだ幼少だった頃に見染め、花嫁候補に決めてしまい、
18年後の成人になってから結婚するために姿を現すとは、恐るべき執念と
しか言いようがないけども、よく考えてみると、たった一度しか会ってない、
それも初対面で見染めるとは思い込みの激しい、ただのロリコン変態男じゃ
なかろうか?
 狙った獲物はどこまでも追いかけてモノにする。この執念深さと、しつこさは
洋の東西を問わず吸血鬼ドラキュラの特徴だが、このストーリー展開の方が、
ある意味ホラーだ。

 しかし、まだ完ぺきなドラキュラにはなっていない。
 最後の格闘の場面で、対決した彼女の恋人の医者に、
「自分で自分を吸血鬼と信じてるただの狂信者だ。血を吸われた者が吸血鬼
になるのは催眠現象にすぎない」と一方的に決めつけられてしまうのは悲しい
し、格闘中に2Fから落ちて、あっけない最期を遂げる弱さが非常に残念だ。

★・点数70点
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