怪奇大作戦 第6話「吸血地獄」 [怪奇大作戦]

●・第6話「吸血地獄」

監督 円谷一 脚本 佐々木守  特撮 的場徹

出演 岸田森 勝呂誉 松山省二 原保美 小橋玲子 小林昭二
ゲスト出演 中山克己  ローラマン 飯田テル子  宮川洋一

協力 別府白雲山荘 全日空

◆・ストーリー

  体内の血液が無い猟奇的な事件が続発し、やがて大分県・別府でも発生した。
この事件は、恋人同士の周作と二―ナが交通事故にあい、死んだはずの二―ナが
不気味な吸血鬼として復活した為に起こった事件だった。周作は二ーナが容姿を
維持して生き続ける為の犯罪に協力するが最期は崖から飛び降りて心中する。
二―ナが本当に吸血鬼の末裔だったのかどうか、そして、なぜ吸血鬼に変身した
のかは最期まで判らずじまいだった。

◆・レビュー

 なにかのショックで、今まで表面に出ないで封印されていた闇の部分が表に
現れてしまうという現象や症状は実際にある。それが吸血鬼だったという事か。
それが妖怪や鬼や悪霊の類だったら本当に恐ろしい事だ。もしかしたら皆にも
そのような因子がひっそりと隠れているかもしれないと思うと、この物語は
さらに怖さを増してくるのだ。

吸血鬼になってしまった恋人の為に生贄を提供し、最後には自分の血を与えて
心中する。これらの一連の行為は無償の愛と思われるだろうが、そうではなく、
決して無償の愛ではない。
なぜなら、二―ナは人間の容姿を維持する為に必要なのだ。恋人にとって、
彼女が吸血鬼ではなくて今までどおりの人間の姿で、自分の身の回りに存在し
時間を共有し続けるのが希望であり、それが目的なのだから、決して無償ではない。
また、最後に自分の血を与えるのは、殺人を続ける事の限界を悟り覚悟を決めたと
同時に、心中する事によって彼女と一体化したいとか永遠に一心同体だという強い
思いがあったのではないか。あるいは交通事故で死なせてしまい、吸血鬼にさせた
のは自分の責任だという負い目があったのかもしれない。
有償=金品や物品になるのだろうが、精神的な物だけでなく、人間らしい容姿と
いう「見返りを求め」それが叶わなくなったからだと解釈するべきではなかろうか。

★・点数 75点
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