怪奇大作戦 第7話「青い血の女」 [怪奇大作戦]

◆・第7話「青い血の女」

監督 鈴木俊継  脚本 若槻文三 特撮 高野宏一

出演  岸田森  勝呂誉 松山省二  原保美 小橋玲子 小林昭二
ゲスト出演  浜村淳 山中紘

◆・ストーリー

 学生時代の友人宅に泊まった三沢(勝呂誉)は何者かに襲われて負傷する。
その直後、それに絡んだと思われる人物が次々と殺されてゆき、関与した
疑いが濃厚な三沢に容疑がかかる。三沢に不利な状況証拠が揃ってしまい窮地
に陥るが、実際は恐るべき殺人人形による仕業だった。
◆・レビュー

 主役は、人間でも人形でもない生物、アンドロイドのような物と解釈してよい
のだろうか?人を殺す殺人人形という設定はよくある事だが、さらにその人形を
扱う人形が居て、自分の意思を持ち行動するという設定が面白いし、また恐ろしい
と思う。息子が結婚して家を出てゆき一人ぼっちになってしまい、寂しさを解消
しようとした父親の老人が発明した人形だが、やがて、その人形さえも老人の思い
通りにならないで、自分の意思で行動するようになるという展開は、まるで反抗期
を迎えた子供のようではないか。子供は成長するに連れて自意識を持ち、父親が
コントロールできなくなり、やがて親元から離れて自立していく。
 
 それは運命的なものであり、一人の人間が子供から大人へと成長していく過程に
過ぎないのだが、それを受け入れるのを拒否した子離れできない父親の哀れさが
浮き彫りになった作品である。
 息子も人形も、結局は親離れしてしまうのだが、一人ぼっちになり孤独感を募らせ
る老人の心のケアという、核家族化の結果起こりうるであろう問題提起がされており、
まるで未来の日本の姿を見通していたようではないか。


★・点数85点
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