怪奇大作戦 第8話「光る通り魔」 [怪奇大作戦]

◆・第8話「光る通り魔」

監督 円谷一  脚本 上原正三 市川森一  特撮 的場徹

出演  岸田森 勝呂誉  松山省二  原保美 小橋玲子 小林昭二
ゲスト出演  田村奈美 中山孝雄  寄山宏 

協力 阿蘇白雲山荘  全日空


◆・ストーリー

 北都公団、林洋子の周辺で奇妙な殺人事件が続発する。正体不明の凛光人間の
仕業だった。牧は現場で採取された亜硫酸ガスの痕跡の分析結果と関係者への
聞き込みから、汚職事件に絡んで失踪し阿蘇山で自殺したはずのかつての同僚が、
自殺に失敗した挙句、「生」への執念で凛光人間に変身し復讐していると仮説を
組み立て、事件の解明にあたる。
◆・レビュー

「美女と液体人間」が元ネタという説明通り、映画に出てくる液体人間を小規模
にしたような凛光人間が出てくるのだが、こちらの方が殺傷力は同じくらいだが
機動力では上ではないか。ただ火に弱いという共通項がある。

 周囲の人間に対して単に恨みを晴らしたいのか、女性社員への想いが捨てきれ
ないのかが、一見あやふやなようだが、それらが一体化して「人間の執念」と
して表現されているのかもしれない。
汚職事件の責任を被せられて自殺に追い込まされた無念さや恨みの感情がある
にせよ、生への執念だけで人間が環境に適した姿に短時間で変身してしまうという
発想はあまりに荒唐無稽すぎるように感じるが、突然変異と解釈すれば良いのか。

 生きたいという執念、そして復讐してやるという怨念、さらには女性社員への
想いと、嫉妬から逆恨みなどの心の変化が、うまく表現されている。
その背景には、誰にも愛されず、蔑まされた挙句にこの世を去る選択に追い込ま
された人間の「言葉に出さない怒り」があるのだ。現代社会における差別とイジメ
の温床は、いつでも、どこにでもあり、知らないうちに怒りが爆発する危険性がある
事を示唆している。

牧が阿蘇山に降りていく時にも、あのジャケットが活躍する。本当に便利な優れ物だ。
ぜひ一着欲しい。

★・点数60点
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