怪奇大作戦 第9話 「散歩する首」 [怪奇大作戦]

●・第9話「散歩する首」

監督 小林恒夫  脚本 若槻文三  特撮 大木淳

出演  岸田森 勝呂誉 松山省二 原保美 小橋玲子 小林昭二
ゲスト出演  鶴賀二郎 本間文子  笠 達也

◆・ストーリー

 舞台は美登利峠
夜になると散歩する首が出没し、驚いたドライバーが次々と事故を起こす。
しかし実際は、ジキタリスという強い強心作用を持った植物を使って死人を
生き返らせるという妄想と執念に取りつかれた一人の科学者により、交通事故の
犠牲者を検体にして死体を蘇生させる為の異様な人体実験が行われていたのだ。
調査に来た牧は、現場に居合わせた峰村(鶴賀二郎)と、以前出会った事を
思い出し、事件解明の手掛かりを掴む。

◆・レビュー

 これまたマッドサイエンティストが登場する不気味な物語だ。
「死体が生きる為に」 「人間が永遠に生きる為に」という執念に取りつかれて、
死体を蘇生させるのは可能だという自分の学説の正しさを証明するためには手段を
選ばず平気で殺人を犯すという典型的なキチガイ科学者の登場は、この怪奇大作戦
に誠にふさわしいシチュエーションといえよう。
 
 逮捕された時も、このキチガイ科学者の関心は、自分の人体実験の成果だけなの
だから、天才とキチガイは紙一重という言葉そのままの存在なのだ。キチガイ科学者
に扮した「鶴賀二郎」の怪演が光る。眼つき、表情、喋り方など、演技じゃなくて
地でやってるんじゃないかと錯覚するほどだ。
 
 死体を生き返らせる為、そして人間を生き続けさせる為の研究とは神の摂理には
反する事かもしれないが、不死の生命の実現という人類の永遠のテーマともいえる
領域に踏み込んだという点では、所詮、願望や夢の世界の話になってしまうかもしれ
ないが、怪奇大作戦の中でも、この回は秀逸な作品として高く評価したい。
散歩する首は、峰村が美女のマスクを被り、トリックを使っていたのだが、
このマスクの美女の顔が結構色っぽく男好きのする顔で、妖艶混じりの怖さがある。

この回で、牧はコーヒーを飲まないとエンジンが掛からない体質の持ち主であるのが
判明する。単にコーヒーの飲みすぎでカフェイン中毒になっただけのように思う。

 冒頭の場面、バイクに乗ったカップルが途中の店に立ち寄り飲むジュースが
「プラッシ-」というのが懐かしいし嬉しい。美味しいかどうかは人によるけど、
時代背景を表す商品だ。わざとらしく商品名がアップで映るのは、この回だけ、
タイアップしたのかな~と思うと愉快だ。

★・点数 100点

nice!(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。