怪奇大作戦 第20話「殺人回路」 [怪奇大作戦]

●・第20話「殺人回路」

監督 福田純 脚本 福田純  市川森一 特撮 佐川和夫

ゲスト出演 平田昭彦  神田隆 宇佐美淳也 杉浩之 キャシーオラン

◆・ストーリー

 全ての管理をコンピューターに任せている会社で社長が殺された。
的矢(原保美)は大学時代の親友伊藤(神田隆)から、深夜、社長室に入っていく
幽霊を見たという相談を受けるが、彼もまた新社長のライバル候補と予測されており、
殺害対象者だった。その幽霊は社長室の壁掛けの絵画から「ダイアナ」が抜けだし
実体化した姿で、的矢と牧が調査にあたっている最中にも、ダイアナが抜けだし、
第二の殺人が目前で行われるが阻止出来なかった。二つの殺人は、専務から新社長に
就任した社長の息子(平田昭彦)の仕業だったのだ。


◆・レビュー

 ゲスト出演が、平田昭彦、神田隆、宇佐美淳也と豪華キャストである。
中でも、いつもはテレビに映画に、現代劇、時代劇とジャンルを問わず悪役で
登場する事が多い神田隆が、的矢所長の学生時代の友人という設定が愉快だ。
毎度お馴染みの憎たらしい悪人ではなくて、どこにでも居そうな、部下思いで
人の好い管理職のサラリーマンのオヤジになって、実にいい味を出している。
コンピューター用語を「機械語」と表現するのだが、思わず納得してしまう人もいる
だろう。

 コンピューターの計算で各種のデータと確率を出し、それに基づいた経営方針や
人事を設定するという、一見効率の良さそうな経営だが、不確定要素、偶然性の
確率をどうするのかは定かではない。人間がコンピューターを使うのではなくて、
逆に支配されてしまうと、どのような悲劇や愚行が行われるかを教えてくれている。
21世紀の現代への警告と受け止めてみたら中々面白い内容に仕上がっている。

 現実には、まだこのような企業は出現していないが、想像上の未来社会では、
このようにコンピューターに支配される社会を示唆した風刺漫画や小説があった
ように思う。

ホログラフを利用した犯罪という設定でも、第11話「ジャガーの眼は赤い」と
比較したら、格段に内容の濃い、科学をテーマにした、なおかつ大人を対象にした
SF作品に相応しい物語に仕上がっている点を強く指摘しておきたい。
監督&脚本を、福田純が担当した成果と言っても良いのではないだろうか。

★・点数90点
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