ウルトラQ・第8話「甘い蜜の恐怖」 [ウルトラQ]

第8話「甘い蜜の恐怖」

監督 梶田興冶 脚本 金城哲夫 特殊技術 川上景司
出演 佐原健二 桜井浩子 西條康彦 江川宇礼雄
ゲスト出演 沢井佳子 黒部進 清水元

◆・ストーリー

 農事試験場の木村(黒部進)は、ロイヤルゼリーの何百倍もの栄養がある
「ハニーゼリオン」の研究が認められて、学会で発表するチャンスを掴む。
しかも博士の娘(沢井佳子)との婚約もまとまり前途洋々だったが、
それを妬んだ何者かが、モグラにハニーゼリオンを与えた結果、巨大な
モグラが出現した。


◆・レビュー

 級友や同僚や隣人をライバル視して、相対的な比較を行うという狭い世界観や価値観で
、どちらが優れているかといった自己評価しか出来ない哀れな男の、悲しいが人間社会の
醜い現実を表している話だと思って見ると良いだろう。

 実際に、そういう人間は皆の身近にも居るはずだ。この中の物語では、一人のバカ男の
嫉妬、妬みが友情を壊し、怪獣を生み、そして自分を破滅に追い込んでしまったのだから
天罰だ。本当はモグラの化け物よりも、歪んだ人間の心の方がはるかに怖いのが判る。

 子供向けの番組の中で、ある意味、人間の心の闇の真実を表現しているという点で、
非常に教育的な効果があると評価したい。巨大化したモグラをどうやって退治するかより、
もっと大切な事を教えてくれている。ウルトラQだから怪獣が重要と思いがちだが、
この回に出てくる巨大モグラは、ただの付け足しのようなもので、二人の科学者を通して
人間関係の難しさ、人の心の中に潜んでいる醜さなどを教えてくれるのだ。
そのような「人間ドラマ」として観れば非常に高く評価出来る。

ゲストの黒部進がウルトラマンに変身して巨大モグラと闘うという設定にしたら、
ウルトラQ⇒⇒ウルトラマンへのドラマの変更も可能だ。

◆・点数100点

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