ウルトラQ・第17話「1/8計画」 [ウルトラQ]

第17話「1/8計画」

監督 円谷一 脚本 金城哲夫 特殊技術 有川貞昌
出演 佐原健二 桜井浩子 西條康彦
ゲスト出演 村上冬樹 田中順一 堺左千夫 

◆・ストーリー

 人口過剰対策として人間を1/8にする計画が進行していた。
役所で第3次募集の看板を観た由利子(桜井浩子)は取材で飛び込んだが、
当局の手違いで縮小されてしまい、S13地区の住人となる。



◆・レビュー

 一体、どうなる事かとヒヤヒヤさせられるが、実は由利子が脳しんとうを起こして
寝ていた間に観た夢だったという落ちが付いている。切っ掛けは駅の階段の
ラッシュ状態の中で脳しんとうを起こす事によるのだが、現実逃避の願望の中から
出た夢かもしれない。
 しかし夢の中のS13地区は、更に徹底的に管理された社会なのだ。会社の中で
現実に管理されている自分の姿を負担と苦痛に感じている事で、このような極端な
内容の夢を観たのであろう。
 Ⅰ/8計画では、一見何でも自由で好き勝手な事が出来る「夢の楽園」のように
説明されるが、ここでは個人の氏名は無く、番号で呼ばれ管理されるのだ。
むしろ現実の社会よりも管理が徹底された社会と考えた方が良いだろう。
 由利子の前に現れるS13地区区長(村上冬樹)と女性民生委員の妙に親しげな
ニコニコ顔と作り笑い、そして猫なで声が怪しい感じさえしてきて、なんだか新興宗教の
勧誘員みたいだ。現実の社会でも「作り笑いと猫なで声」には要注意した方が良い。

 劇中、かなりの矛盾点があるのだが、この話の構成は【全て由利子の夢の中の出来事】
と思えば納得して楽しめると思う。1/8になるという事は、160cmの人なら20cmになるの
だから、可愛らしい喋る人形みたいになるのだろうか。不思議なのが拘置所で由利子を
助ける男性で、身体が大きすぎる為に適したマシンが出来るのを待っている人間が、
なぜ拘置所に閉じ込められているのだろうか。まるで犯罪者扱いではないか。マシンが完成
するまで自宅待機にしない理由を知りたいが、所詮夢の中の出来事なのだから、理不尽な
状況があっても受け入れるべきか。自分が見る夢も理不尽な事はよくある事なのだから。
でも、こんな夢は見たくないと思う。

 BGMに時折流れる物悲しいメロディーは、当ブログでもレビューを書いた
「ガス人間第一号」(東宝)で使われていたものである。なかなか効果的な使われ方を
していると思うので、耳を澄ましてチェックしてほしい。

◆・点数80点
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