サタンクロース [悪魔]

サタンクロース(2005年アメリカ)

監督 & 脚本 デヴィット・スタインマン
出演 ビル・ゴールドパーク  ダグラス・スミス  エミリー・デ・レイヴィン
    ロバート・カルプ

◆・ストーリー

 2005年12月24日「ヘルタウン」の街で、クリスマスイヴの団欒を楽しむ家族の
前に、煙突から侵入したサンタ(ビル・ゴールドバーグ)が突然暖炉から現れて一家を
惨殺する。外に出たサンタは、街の行く先々で住民達に対して手当たり次第に暴行と
惨殺を繰り広げる。実は「サンタ」の本当の正体は「サタン」であり、昔は12月25日に
殺戮を繰り返した為に「虐殺の日」とされていたのだ。
 しかし、サタンの暴虐を防ぐために降りてきた天使との賭けの勝負に敗れてしまい、
千年間はおとなしくすると約束させられたのだが、その年2005年が、調度その千年の
期限が切れる年だったのだ。その隠された真実を天使だった祖父に教えられた
ニコラス(ダグラス・スミス)は、ガールフレンドのマック(エミリー・デ・レイヴィン)と一緒に
サタンと闘う決意をする。



★・レビュー

 内容はDVDのパッケージのデザインよりも怖くない。
なぜなら、サタンの言動や行動には、恐怖よりもコミカルな雰囲気を漂わせた物が
あるからだ。人によってはサタンを応援したくなる人も居ると思われる。

 ジェットエンジン付きのソリに乗り、いきなり可愛らしい子犬を天井まで蹴り上げて殺し
、次々と残忍な悪行を繰り広げ、「俺に手紙を書いたガキを一人残らず見つけていたぶってやる」
と悪態をつくのだ。優しいサンタのおじさんというイメージとのギャップが本当は怖いはず
なのに笑えてしまう。子供達にクリスマスプレゼントを与えて優しく振舞った1000年間は
想像を絶する苦痛であり、精神衛生上、極めて好ましくない状態が続いていたのは容易に
想像出来る。「ノイローゼ」や「うつ病」にもならずによく耐えたと評価したい。
 このようにサンタクロースをサタンクロースと称して悪魔に見立てるという発想が素晴らしい。
例えば、一見優しそうな男性が実は悪魔のような恐ろしくて酷い男だった。なんてのは
人間社会の男女関係にはよくある話なのだから、本当にサンタは居なくても、サタンは
大勢居るのかもしれない。サンタクロースの衣装を着ていると優しいオジサンに思って
しまうかもしれないが、人を見た眼で判断してはいけないという教訓にもなるだろう。

 サンタに出した手紙の名前と住所で、宿敵の天使の居場所を探しあてるのだが、これは
世界中の子供から送られてきた無邪気な手紙を一通一通ちゃんと目を通している事になる。
そういう点は実に律義ではないかと思うが、大男で残忍な悪魔のサタンが、純真な子供達
からの膨大な手紙を読んでいる姿を想像すると愉快ではないか。
 サタンと天使が賭けで勝負するのだが、賭けに負けたからといってその約束を守るのは、
本来は悪魔の風上にもおけない奴ではなかろうか?

 最後には旅客機を利用して、なぜか「ウィニペグ」からボルネオ経由で北極圏へ向かい、
休息を取った後、ロシア正教のクリスマスを祝うという展開は、本当に悪魔なのか乱暴者の
頭のイカレたオヤジなのかと思うほど人間臭さを感じる。このように、ホラー物でありながら
コメディーの要素が盛り込まれているのだから2倍楽しめる作品である。

 サタンは魔術を使わなくても強い、「ハルクホーガン」や「スティーブン・セガール」を更に
バージョンアップしたような格闘技と戦闘力の持ち主であり、もし2人と闘っても勝つのでは
ないだろうか。

 クリスマスの夜に家族そろって、それも出来れば子供と一緒に鑑賞するに誠に相応しい
作品である事を保障する。

★・点数70点

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