予言 [霊界]

◆・予言(2004年 東宝)

監督 鶴田法男 脚本 高木登 鶴田法男  原作 つのだじろう

出演
三上博史 酒井法子 堀北真希 小野真弓 山本圭 吉行和子 井上花菜

主題歌「うたかた」 荘野ジェリー 

撮影協力
竜ヶ崎飛行場 新中航空 東洋学園大学 東洋女子短大 マキノ祭典 

◆・ストーリー

 里見英樹(三上博史)は妻の綾香(酒井法子)・娘の奈々(井上花菜)と、帰省帰りの
途中に立ち寄った公衆電話ボックスの中で、偶然、古新聞の切れ端を見つける。
そこには自分の娘の交通事故による死亡記事が載っていた。そして記事通り数分後に現実
に起こった。事故のショックから癒やされず引きずる里見の前に再び死亡事故を伝える
「恐怖新聞」が届く。

 霊能力者の御子柴(吉行和子)教え子の女子高生・岩窪(堀北真希)精神病院の隔離さ
れた少年患者、恐怖新聞研究家・鬼形(山本圭)など、未来に起こる死亡事故や事件等を
予言した4人が死んでいった。里見も彼らと同様に無意識のうちに死の予言を書きまくる
ようになってしまう。
 「新聞の予告を教えてはいけない。死ぬはずだった人を助け運命を変えると、身代わり
として自分が死ぬのだった」しかし里見は妻を助ける為に予言を変えてしまった。
新聞で予言された運命から逃れ、さらに妻子を助ける為にもがき苦しむ。
最後に出した結論は――――――――

◆・レビュー

「恐怖新聞」とは、事故や事件、自然災害等により、世界中のどこかで誰かが死ぬ事を
告知する予言紙で、それは死の宣告である。未来に起こる事を知りたいという興味を満足
させる事は出来るが、親族や友人・知人が死ぬ事を知ってしまったら沈黙を続け傍観者で
居続ける事は困難で、その悲劇を告知せずにはいられないであろう。だから、このような
不吉な予告など、自分のところには、来ない、知らない方が良いのだ。

 新聞を破り捨てた里見には、一番辛い時間帯に戻らされて、いくつかの可能性のある運命
が用意されていた。その中から自分で進路を決めるのだが、里見は自分が交通事故の直前
に、どう行動するかによって起こりうる、3つのパターンを疑似体験する。

1・最初の予言通り、娘が死ぬ。
2・娘は助かるが妻が死ぬ。
3・家族全員が死ぬ。

 この3つのパターンを実際に疑似体験して、必ず誰かが死ななければならない事が判る。
そのような限定された条件の中で、その時間帯に戻ってから、どれを選ぶか決断を迫られる。

里見が選択したのは、このような究極の選択を迫られた際の決断として十分に予想出来る物
で、ストーリーとしては安直かもという展開ではあるが、愛する者が居る人間としては正統な
行動と評価されるであろう。そこにあるのは自己犠牲の精神ではなく、深い家族愛、妻と娘へ
の限りない愛情である。自分は死にたくないが、しかし誰かの為に死ななければならない時、
誰の為に死ねるかという時に、愛する者の為に死ぬという選択と決断を行ったのだ。
「死ぬはずだった人を助け運命を変えると自分が死ぬ」
結局、この運命の必然とも言うべきキーワードからは、逃れられなかったのである。

 余談ではあるが、ノリピーもこのような男性と結婚していれば、犯罪者にならずに済んだ
のではなかろうか。

★・点数 80点
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