恐怖劇場アンバランス 第3話「殺しのゲーム」 [恐怖劇場アンバランス]

◆・第3話「殺しのゲーム」

監督 長谷部安春  脚本 若槻文三  原作 西村京太郎

出演 岡田英次  春川ますみ  田中春男 石橋蓮司 米岡雅子

◆・ストーリー

 通院中の岡田正雄(岡田英次)は、好意を寄せてきたナース(春川ますみ)から、
胃ガンで、もう手術も出来ず1年の命と教えられる。その直後、尾行してきた謎の男
(田中春男)から、互いに相手を殺すゲームを提案される。男は肺ガンで死ぬ運命にあるが
、ゲームを行う事で、いつ殺されるか判らない緊張感で、死の恐怖を忘れられると言う。
男は「誰だって人は殺せる」と言うが岡田は「自分には人なんか殺せない」と悩む。


◆・レビュー

 どうせ死ぬのならば、死刑になっても構わないのだから、何も見ず知らずの他人を誘う
必要はない。自分の人生を振り返って、「今まで殺してやりたいと憎しみに駆られた奴が
居たのならば、怒りや憎しみをぶつける相手がすでに存在している事になる。」
 だから、この初対面の他人に新たな憎しみを持ってゲームを行う必要はないと考えるのが
論理的である。恨み辛みのある、殺してやりたいと思っている人間を片っ端に殺して、さらに
残りの財産で酒池肉林の世界を楽しんでから死ねば良い。倫理道徳に反して、非人間的
かもしれないが、このほうが合理的な考え方である。

 例えば、アイドルタレントや有名女優を次々とレイプ、誘拐して、事務所と関わりのある
ヤクザに殺されるという方法だってある。火炎瓶や金属バットで恨み辛みのある憎い奴を
次々と殺して、最後は警官隊に射殺される方法もある。と考えれば、自分と似たような境遇の
ガン患者を探して、殺しのゲームを企画提案する必要はないのが判る。

 このように理性ではなく、欲望を原点に考えれば、殺しのゲームを提案したこの謎の男は、
ガン患者だけではなくて、極めて深刻な精神異常者⇒「ウルトラキチガイ」でもある。
余命少なく、どうせ死ぬのならば、いつ殺されるか判らないからと緊張感など持つ理由が無い。
つまりゲームそのものが矛盾しているのだ。
それを他人に提案して強引に参加させようと仕掛ける。間違いなくキチガイなのだ。

 この迷惑男は最後に「ありがとう、どうです。あなたにだって人は殺せるじゃないですか」と
言い残して死ぬ。岡田をその気にさせる為に最後に一芝居打ったのだ。自殺する勇気が無く、
迫りくる死の恐怖には耐えられない。だから誰かに早く殺して欲しかった。末期状態になって
苦しむ前に死にたかったのが判明するが、本当に迷惑で身勝手な男だ。
野放しにして「殺しのゲーム」をさせるのではなくて、新薬の人体実験の材料にして医学に
貢献させるべきである。

★・点数20点

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