恐怖劇場アンバランス 第5話「死骸(しかばね)を呼ぶ女」 [恐怖劇場アンバランス]

◆・第5話「死骸(しかばね)を呼ぶ女」

監督 神代辰巳  脚本 山崎忠昭
出演 和田浩司  珠めぐみ 穂積隆信  新井茂子 小林昭二

◆・ストーリー

 婚約者の恵子(新井茂子)から別れ話を持ち出された坂井(六本木誠人)は,ライバルで
親友の松岡(和田浩司)を殺してやるという。恵子は2人を天秤に掛けて出世コースの松岡を
選んだのだ。その直後、坂井は工事現場の土砂崩れにあって死ぬが死体が見つからない。
 坂井に対して強い贖罪の意識を持った恵子の心身に医学的に説明出来ない不思議な現象
が起こり始め、坂井の霊を呼び戻すようになってしまう。死んだはずの坂井は悪霊となって
復活し、次々と殺人を犯し、ついに松岡の身にも災難が降りかかって来る。

◆・レビュー

 幽体離脱がテーマとなっているが、他のホラー作品にありがちな、霊的な能力の強い人間に
起こるという現象ではなくて、特異な体質の持ち主に起こるという設定になっている。
それが恵子だけでなく松岡もまた同じ体質の人間であり、二人が結ばれるのは好ましい結果
であるという結論で物語は終わる。
 
 坂井の死体が見つからず、恵子の魂によって導かれて実体化する。
自分を裏切った憎い女だが、愛していて忘れる事が出来ない坂井の熱い感情と魂が、死んだ後
も残留思念として残ったのであろうか。しかし、彼女への想いよりも、周囲の人達を殺して道連れに
する悪霊になってしまう。それはすでに坂井とは関係ない殺人狂になっていた。
 2人を天秤に掛けたといっても、恵子は決して計算高いズルイ女ではない。
坂井の遺品の日記を読んで強い贖罪の意識に駆られて幽体離脱を繰り返しては、霊魂となった
坂井のこの世への未練を成就させてあげようと協力するのだから、2人のどちらを結婚相手に
選ぶか、悩みに悩んで苦渋の選択をしたと思う。しかし、贖罪の意識から無分別な協力をした結果
、恐ろしい連続殺人に加担してしまうのだから、松岡を選ぶ決断をした以上は、優柔不断な感情は
捨て去るべきだった。

 ドクターに穂積隆信 ナースに珠めぐみ、工事現場の管理職に小林昭二が出演しており、
またシナリオも充実している。幽体離脱を扱った作品として必見といえよう。


★・点数 70点
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