エコエコアザラク TV版 第12話「伝説の魔女」 HECATE Ⅲ [エコエコアザラク]

・第12話「伝説の魔女」HECATE Ⅲ

監督  服部光則   脚本 村井さだゆき

出演 佐伯日菜子  安藤あき子  萩原ひとみ
    落合瑠美   麻生真宮子

ゲスト出演 山本陽一

◆・ストーリー


 京介(山本陽一)は大森(曽 達人)を発見して「ヘカテ=吉山純子」(麻生真宮子)の
消滅に協力する事になる。大森は潜伏しながら、街中に黒魔術の結界を張っていた。
それは闇の力を総動員してヘカテを消滅する為の魔法陣だったのだ。
 ヘカテは五千年に一度の「ニグレドの夜」と呼ばれる黒い太陽が観られるときに合わせて
、肉体を復活させるために霊力の高い女性の血を集めて浴びていた。
 ヘカテを倒すためにはマスターコンピューターのシステムを破壊する為にウイルスを
感染させても、それだけでは不十分で、闇を倒すためには闇の力が必要だった。
魔術を駆使したミサとヘカテの死闘が始まる。


◆・レビュー

 ウオークナビは特殊な能力を持った能力者を集める為のレーダーやソナーの役割だけでなく
、扇動しマインドコントロールする為の物でもあった。大森の妹・弓恵(萩原ひとみ)も、京介
の恋人の比呂(安藤あき子)も特殊な能力を持っており、互いの兄と京介を襲わせることも
可能だった。この二人もまた能力者だったという設定が面白いし、互いの大切な人を襲わせる
というストーリーの意外性と怖さを生みだしている。

 大森が先祖代々不思議な能力を持つ家系(蛇眼)で、吉山の正体を見破る事が、このヘカテ
退治の物語の発信となっている。そして大森はミサが登場するまで孤軍奮闘するのだ。
身を隠し、結界を張り、妹の身を危険に晒すのだが、勇気と強い意思の持ち主に違いない。
ヘカテの正体を見破り、巨大な魔法陣を張り巡らしたばかりか、ホストコンピューターへの
ウイルス攻撃を立案したのも大森である。ヘカテ消滅作戦の貢献度は極めて高い。
 直接攻撃は黒井ミサが、間接支援を大森兄妹が担当した共同戦線が見事に成功したと
いえよう。強力で残忍なヘカテを倒す為に、黒魔術の結界とミサの強大な能力に加えて、
コンピューターウイルスを使うというアイデアが面白い。「魔術プラス科学力」のコラボである。
IT時代に相応しいような悪魔退治の方法である。相手のヘカテも、コンピューターに管理された
棺桶に入り、霊能力の高い子の血液を大量に浴びる事で能力を維持して復活の日を待ち続けて
いたのだから、ドラキュラのようにただ棺桶の中で生き続けてきたわけではなくて、現代科学の
恩恵を受けていたというか利用していたと考えられる。

 ヘカテは闇の女王ではなかった。「ヘカテは闇の女神の名前で、闇に生きる者はその支配を
受けるという」しかし、実際には、闇の世界を混乱させて秩序を乱すアナーキーな存在だった
のではないか。ミサは秩序を維持する為に、混迷と破滅をばら撒き、勝手に行動する物に
裁きを与える為に遣わされたような役割となっている。

「闇の支配者に悲しみは要らない」
「お前は闇を裏切った」
「闇を裏切った時、闇はお前を消す事を躊躇しない」

 これらはミサの口から発信された言葉だが、本当は闇の支配者の言葉と意思を代弁したに
すぎないのではなかろうか。まるで闇の世界の憲兵のようでもある。

 屋上で、ミサとヘカテが最後の闘いを展開するシーンは「妖獣都市」(菊地秀行原作)の、
ラストの教会の屋上での共存派と魔界の過激派との対決シーンを連想させる。

 ラストは京介の語りで終わる。このヘカテ編3作は、ミサとヘカテとの対決以外の要素も
加わっており、全体として京介を中心にした物語が展開されたのだから、このような終わり方も
納得できる。京介、大森兄妹、それぞれが体験した不可思議だが強烈で、もし闇の人類史が
あれば、歴史に残るであろう英雄的な闘いだったのだ。

★・点数・100点
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