エコエコアザラクTV版 第17話「私」 SEVEN Ⅰ [エコエコアザラク]

第17話「私」 SEVEN Ⅰ

監督  上野勝仁   脚本 新田隆男  脚本監修 梶研吾

出演  佐伯日菜子 つぐみ  横山夏海  望月沙耶
    須藤実咲  村松弘之 広田幹夫

◆・ストーリー

 伯父さんの元を離れたミサ(佐伯日菜子)は新しい学校へ転校していた。
ラブホテルを舞台に、援助交際の女子高生の犯行が濃厚な猟奇殺人が続発する。
ミサの同級生のマヤ(つぐみ)が、関わりを持っているようだが、マヤ本人には、
全く身に覚えが無い。誰かが魔術を使い、マヤの分身(ドッペルゲンガー)を使って
凶行を繰り返させていたのだ。ミサは問題の解決に乗り出したが、マヤの身体を
乗っ取ったドッペルゲンガーに殺されそうになる。しかし実体化した為に、
ドッペルゲンガーは消滅し、マヤは死んでしまう。




◆・レビュー

 17話から19話までのSEVENシリーズである。
HECATE3話が序盤のハイライトだったのに対して、この3話完結シリーズは、
中盤でのハイライトである。これから終盤に向かって、ミサを巡る悪魔との闘いの新たな
段階に入る入口となっている。

 舞台は渋谷と思われる。女子高生の援助交際絡みでストーリーは展開するのだが、
ドッペルゲンガー現象とのコラボである。ミサをターゲットにして何者かが本格的に動き
出し危険が迫っているのだが、まだ、事の重大さに少ししか気が付いていない。
 何度も描かれる陸橋を横から見ると、魔術を封じ込める「逆十字の紋章」の形になる。
この陸橋が実はキーワードとなっていくし、またこれから現れる相手の強大な力と、
ミサの想像を絶する苦難を示唆しているようでもある。

 この3話シリーズは、エコエコアザラク劇場版Ⅲと若干共通している。
この17話では、女子高生役で出演している若手の素朴な演技であろう。
横山夏海(矢島恵子役) 望月沙耶(三浦エリ役) つぐみ(平野マヤ役)といった、
これから女優として成長し売りだしていく有望な若手女優の卵達が熱演しているのが
印象的な3話連続の物語である。

 17話の監督「上野勝仁」はTV版では、他には「6話・8話・16話」で監督をしている。
特徴的なのはホラー作品ではあるが、奇怪な霊的、魔術的現象に怖がる女性の
姿や心ではなく、自分の意志とは異なる方向性や、立ち位置で生じてしまった悩みや
苦しみを描写している所に注目したい。
 
 第6話「魔性の園」・ゆうこ(勇静華)は、華やかなスターとなってスポットライトを浴び
たい願望を強く持っているのに表面に出せずに親友&ライバルの付き人をする苦悩。

 第8話「めまい」では、綾(徳永廣美)が、自分が本当に愛していた夫と、魔術の力に
よって愛するようになった夫の親友のカメラマンの両方を失ってしまった悲しみ。

 第16話「受胎」では、水木(三浦早苗)が能力者になった事で、仲間が惨殺される
中で、他人の心が読めてしまう苦悩。

 この第17話では、ドッペルゲンガー現象によって自覚症状も無く、殺人を犯してしまう
女子高生マヤ(つぐみ)の苦悩。

 それぞれの置かれた状況も経過も異なるが、悩み、苦しみ、悲しみは、極日常的に存在
するし、女性は怖がり怯えるだけの存在ではなく、各々の運命が待っているといえよう。

「あっぱれ!さんま先生」の生徒で、レギュラーで出演していた須藤実咲(田村秀美役)が
登場。あどけなさが目立つ。

「つぐみ」が、ラブホテルで上半身裸、オッパイ丸出しのエロチックな姿で、男性の目玉を
くり抜き、ビデオカメラの前に差し出してニヤリと笑う不気味なシーンを好演している。
「つぐみ」は、現在本番SEXを収録したDVDが発売されているので、興味のある方は、
そちらの購入をお勧めしたい。猟奇殺人の解明を試みるミサが、事件のあったラブホテルの
一室で、「それでは準備を始めます」と言って、いきなりローソクの束を取り出す。
一瞬SMプレーかと変な期待を抱かせる。
また、村松弘之「第19話担当」 広田幹夫「第18話担当」の両監督が、ここでは役者
として出演しているので、どこで登場するかを発見するのも楽しみである。

 皆が夏服のブラウスとチョッキの制服の中で、転校生のミサは冬服のセーラー服姿である。
転校生だから冬服は間に合わないとしても、夏ならば、せめてブラウス姿で登場させた方が
良かったのではないか。
 

★・点数100点


nice!(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。