エコエコアザラク TV版 第22話 「魔女裁判」 THE JUDGMENT   [エコエコアザラク]

第22話「魔女裁判 」THE JUDGMENT  

 監督 Higuchinsky  脚本  七月鏡一  脚本・監修 梶研吾

出演   佐伯日菜子  小毬なな ドン貫太郎 平久保雅史
      佐々木誠人  間信博  今村理恵


◆・ストーリー

 ミサはナイフを持った男に襲われるが逆に殺してしまう。逮捕されて取り調べの最中に
気絶してしまい目覚めると、信じられない事にそこは魔女裁判の法廷で、ミサは魔女として
裁かれている最中だった。しかも逆十字の紋章で魔力が封じ込められていたのだ。
 法廷で次々と繰り出される不利な証言と理不尽な扱いの末に死刑を宣告されて
意気消沈するミサだが、証人として出廷した妹のアンリ(今村理恵)を偽物と見破った
事で、束縛から解放され、全てが虚構の世界の出来事と見破る。
実は、この裁判自体が何者かによって仕組まれた物だった。


◆・レビュー

 冒頭のモノクロ映像に字幕が、まるで無声映画のようなスタイルだが、怪しげな雰囲気と
裁判の胡散臭さを印象付ける上で効果的だ。ここまで、霊能力者達をターゲットにしてきた
邪悪な世界の支配者が、ついにミサ本人に対して直接アタックを開始してきた。
魔女裁判の名目でミサを抹殺しようという企みである。

 法廷に居た人物が一人を除いて全て人形だった。惟一、人間だと思っていた
人形遣い(小毬なな)も、やはり人形だったというストーリーも面白いし、ホラードラマとしては
意外な展開ではないが、不気味さや異様さという点を出す上では効果的だった。
人形遣いに扮して不気味な表情とアクセントで喋る「小毬なな」の怪演が見事である。
彼女以外にも法廷内のシーンでは、周囲を固める出演者全員が実に良い仕事をしている。

 この法廷の構図はというと、ある意味、非常に楽しい光景でもある。
セーラー服の女子高生が。張り付けにされてインチキ裁判に掛けられている。
見方によっては、SMの言葉攻めプレイである。いっその事、魔女裁判らしく
「真っ裸にしてイヤラシイ拷問に掛けるシーンがあった方が内容的には、充実すると思う。
だが、この魔女裁判は、中世のインチキ、デタラメな法廷ではない。
 この裁判は「魔女ではない女性を拘束するのではなくて、初めから黒井ミサを標的にした
物であり、「悪魔が正体を探知されるリスクを冒さずに処置しよう」という目的があった。

人形遣いが、死に際にミサに言い残した言葉が、エコエコアザラクの物語全体が、
ラストに向けて連動している事を、そして最後の闘いの場の存在を示唆している。

「逆十字に祝福された楽園の門、そこが私たちの約束された土地」
「お前を待っているのは地獄だ」
この言葉が、やがて現実のものとなってミサに降りかかってくるのだ。

そして、この回で初めて妹のアンリ(今村理恵)が、その奇麗な容姿を現す。

 この回の監督は「ヒグチンスキー」である。代表作として「うずまき」をあげたい。
「うずまき」(伊藤潤二原作)同様に、独特の映像と演出が異彩を放ち、
印象に残る内容となっているので、ぜひ「うずまき」も観る事を勧めたい。


★・点数70点
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