アポロ13号 [宇宙]

アポロ13号(1995年

監督 ロン・ホワード  脚本 ウイリアム・ブロイレス・Jr 

出演者 トムハンクス  ケビンコーベン  ビル・バクストン ゲリー・シニーズ
     エド・ハリス  キャサリン・クインライン


◆・ストーリー

 1970年4月、アポロ13号が、月に向かい打ち上げられた。
しかし月まで5万キロの時点で、トラブルが発生し月着陸を断念する。
原因を調べると、酸素タンクと燃料電池が破損した事が判明、地球帰還が絶望的な状況と
なってしまった。酸素は徐々に欠乏していき、乗組員は二酸化炭素中毒にかかっていく。
限られた時間内で乗組員を救出する為に、NASAは、あらゆる可能性を試みる。
これは、有人宇宙飛行、アポロ計画の中で、最も深刻な事態となった実話である。


◆・レビュー

 宇宙開発とベトナム戦争がアメリカの財政負担となったのは事実だが、この作品を観ると
誰もが思うだろう。「アメリカの宇宙開発とは何だったのか?」
 単にソ連よりも先に月面に人類を運ぶ事だけが目標で、それを達成したから、もう十分だ
というのならば、それは科学の進歩や宇宙へのニューフロンティア精神では無く、国威発揚の
政治目的であり、壮大なパフォーマンスに過ぎなかった事になる。

 それも、膨大な国家予算、つまり税金と資材と知力と労力、時間を湯水のように注いでである。
アポロ計画の中止と宇宙からの撤退によって、貴重な技術と経験と資料が時間の経過と共に
消滅していくのを平気で眺められるのだろうか。政治家が内向きの姿勢になった時には、
自分の選挙区と自身の選挙の当落の事しか考えないのは古今東西同じという事か。

 「今度は、いつ、だれが、あそこへ戻るのか?」ラストのジム(トム・ハンクス)の言葉が、
宇宙開発に掛けるNASA関係者の気持ちを代弁している。

「月へ行く」のではなくて「月に戻る」のだ。

 この作品は、現在の置かれた過酷な状況の中でも諦めないで、いかにベストを尽くすかと
言う点で模範となる。道徳教育や夢プロジェクトの教材として利用価値がある。

 当初乗船が予定されていた飛行士が直前で外されたのは残念だっただろうが、
結果的に前代未聞の事故発生の対処という非常事態にあたり、素晴らしいバックアップ体制が
用意されていたのだから。
 模擬テストしてない事態を、シミュレーターで再現してテストして修復の道を探る
パソコンが故障したら、正常なパソコンを同じ故障の状態にして、そこから修復させるのと同じで、
論理的な思考と対処法である。

◆・追記

主な出演者のほぼ全員が、その後も、SFやホラー作品等に出演しているので、
どこかで観た、馴染みがある顔だと気がつくであろう。
自分には、管制センター室長役のエド・ハリスが「スターリングラード」で、
ドイツ軍の狙撃将校の役で、敵役を演じていたのが印象的であった。

★・点数 80点
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