平成ガメラ3部作 初めに [怪獣]

★平成ガメラ3部作 ・初めに

 旧ガメラシリーズが「ガメラ対バルゴン」を最期に、ガメラは子供たちの味方で、
人類を地球侵略を企む宇宙人や悪い怪獣から守る為の正義の味方であるという
お馴染みのパターンを全面に出す事によって、観るも無残な駄作になってしまった。
ゴジラシリーズ同様に、観客対象を小学生にするという悪い流れを継続してしまった
のである。

 新しく復活したゴジラシリーズが、ゴジラを生物の常識を超越した荒唐無稽の不死身
の存在として絶対視した結果、トンデモ映画になったのに対して、ガメラは生き物として
扱われる事によって、生活の匂いのする実体感のある存在になった。
 平成ガメラシリーズの大きな特徴は、3本の作品に継続性があり連動している内容に
なっている事と、政府機関・自衛隊・マスメディア・自治体等の有事の対応や姿勢が
現実的である事があげられる。

 従来の怪獣映画は、1本完結形式のドラマで、縫ぐるみの怪獣がミニチュアの街の
セットをぶっ壊したり、善と悪に分かれた怪獣同士や、巨大化した正義のヒーローと、
プロレスや柔道や空手を行い、自衛隊は単なる引き立て役に過ぎないというのが
お決まりのパターンだった。また、関係機関の命令系統や伝達方法、各自の位置づけや
役割分担などにおいて、ご都合主義を通り越した、メチャクチャ、デタラメが横行し、
怪獣の存在と同じ位に、空想と妄想の産物のような異常な内容だった。

 平成ガメラシリーズでは、出演者の役柄や行動、ストーリー展開に繋がりがあり、
怪獣が出現して暴れた場合の非常事態に際して関係機関がどのような対応をとるか
なども、現実の自然災害や有事の危機管理体制と照らし合わせて、十分に予測可能な
描写がされている。
 大迫警部補(螢雪次郎)が、警部補~ガードマン~ホームレスと各回で職業を代えつつ
、最初に姫神島のギャオス調査に帯同した長峰(中山忍)と、また最期に一緒に仕事を
する顛末は現実社会でもありそうな展開で面白い。

 この結果、平成ガメラシリーズ3部作は、大人の鑑賞に耐えうる娯楽作品として
見事に復活したのである。この3部作を全て見る事によって、ガメラとギャオス、
そして人類を巡る攻防やお互いの相関関係が納得できるのだが、第1~2~3作と
順番に見る事をお奨めする。ストーリー展開やシチュエーションなどの理解が可能となり、
より興味が湧いてくるだろう。
 そしてガメラはギャオスを倒す為、地球を守る為に作られたという設定になっており、
人類を守る、子供の味方という旧シリーズの原点となった役割は薄くなっている。

 ギャオスが地球の内なる敵で、レギオンが地球外からの敵として、人類というよりも
地球の生態系に対して危害を加える存在として登場しているようだし、3部作まとめて
一つのドラマになっているといえよう。


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