怪奇大作戦 第13話」「氷の死刑台」 [怪奇大作戦]

●・第13話「氷の死刑台」

監督 安藤達巳  脚本 若槻文三 特撮 高野宏一

出演  岸田森  勝呂誉 松山省二 原保美 小橋玲子 小林昭二
ゲスト出演  西沢利明 住吉正博

◆・ストーリー

 男女の不思議な死体が発見されるが、死体に残された証拠とその後の状況から
冷凍人間の仕業と思われた。その背景には―――――――――
サラリーマンの岡崎は「一日だけ蒸発しませんか?」というキチガイ科学者の加瀬
(西沢利明)の甘い言葉に騙されて、冷凍冬眠の実験材料にさせられてしまう。
本人の意識ではたった一日しか経っていないのだが、現実には7年が経過しており、
岡崎は状況の変化が判らないまま、殺人を行い、化け物として扱われ、無残な最期を
遂げる。

◆・レビュー

 またまたキチガイ科学者の登場である。
このような人物が登場すると、怪奇の名に相応しく内容が生き生きしてくるような
感じを受ける。

 当時、会社や家庭に疲れたサラリーマンが蒸発(行方不明)するケースというのが
あったが、ほんの気休めに蒸発したら、冷凍冬眠の人体実験に利用されてしまい、
何も知らずに7年が経ち全く事情も判らないままに、まるで化け物扱いされて無残な
最期を迎えるのは、あまりに残酷で可哀そうだと思う。
このような結末で果たして良いのだろうか?本来ならば、犠牲者か被害者として
扱われて同情を誘う立場なのに、元に戻す研究を行うとか生存の方向を模索するより、
異質で危険な人物だから退治してしまえという考え方を強く感じる。
運命の悪戯とはいえ、やりきれなさが残る。

 それにしても、人体実験の対象者を探すのに、「一日だけ蒸発してみませんか」
というのは、上手いセールストークだと思う。高度成長期だから繁栄して皆が幸福
だったのかというとそうではなくて、燃え尽き症候群じゃないけど、巨大な歯車の
一部に組み込まれたような日常生活の中で、精神的に疲労が溜まり、現実逃避を
したくなったサラリーマンがかなり居たのだと思う。

 キチガイ科学者を演じた西沢利明といえば、「ザ・ガードマン」「キーハンター」
「Gメン75」その他の刑事ドラマで、悪役としてお馴染みの俳優で、その悪役ぶりは
太鼓判を押して安心して見ていられるのだが、今回は狂気ぶりもまた見所である。

★・点数 85点

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