怪奇大作戦 第15話「24年目の復讐」 [怪奇大作戦]

●・第15話「24年目の復讐」

監督  鈴木俊継  脚本 上原正三 特撮 大木淳

出演  岸田森  勝呂誉 松山省二 原保美 小橋玲子 小林昭二
ゲスト出演 天本英世 夏珠美  葉山ユミ 

◆・ストーリー

横須賀で米兵連続殺人事件が発生する。居合わせた女性によると、海から現れた
人間の仕業らしい。そこで牧は水棲人間の仕業という仮説を立てて、アメリカ兵に
変装して待っていると水棲人間が現れるが、その正体は―――――

◆・レビュー

 上原正三脚本の良い意味でも悪い意味でも象徴的な部分が現れている。
沖縄戦や米軍基地と駐留米兵に対する特別な感情を脚本の中で形を変えて具現化する
傾向の事だ。それは時として非常に残念な描写やシチュエーションとなってしまう。

 これはSFドラマであり、反戦思想や反基地闘争や政治的な主義主張をアッピール
する場ではないのだ。生き残った日本兵の形を借りて沖縄の現状(1968年当時の)
を解決できない無念さや無力さを表現しているに過ぎず、牧が戦争で無くなった姉への
思いを回想するシーンも含めて、この怪奇大作戦のテーマとは著しく離脱した物を強く
感じる。証人女性の勤務する店に、SRI所員の身分で犯罪捜査と解決という目的を
上手く説明せずに、まるでストーカーや強引な客のように誤解されるような振る舞いで、
ボコボコに殴られるシーンなど挿入する必要があるのだろうか。

 潜水艦乗員だった木村二等水兵が生への執念だけで生き残り報復する話だが、
《何故?》という点で全く説得力が無い。

何故、横須賀なのか、
何故、米軍基地に対して直接テロを仕掛けないのか?
何故、酔って日本人女性と一緒の米兵ばかり狙うのか?
何故、米兵を殺す目的以外の事では、判断力や冷静さが見られないのか?
何故、23年間戦う執念だけで生き続けてきたという設定なのが、今頃現れたのか?
何故、平和に暮らす日本人も観れるし、米軍艦船と海上自衛隊が交戦せずに交流している
のに、戦闘が激化したと思うのかといった風に、疑問や矛盾を投げたら切りがないのだ。

 自爆するのは日本軍人らしくて良いが、生き残って戦闘を継続してる日本軍人が行動に
出うるであろうと予想されるあっけない終わり方だった。

また、牧の誕生日が昭和16年12月8日というのが判明する。

★・点数 10点
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