怪奇大作戦 第26話「ゆきおんな」 [怪奇大作戦]

●・第26話「ゆきおんな」

監督 飯島敏宏  脚本 藤川桂介 特撮 佐川和夫

出演  岸田森  勝呂誉 松山省二 原保美 小橋玲子 小林昭二
ゲスト出演  小松方正  松木路子 稲吉靖  ロイヤルダンシングチーム
協力  那須ロイヤルホテル 那須ロイヤルセンター


◆・ストーリー

 さおり(小橋玲子)の親友、井上明子(松木路子)に差出人不明の手紙が届く。
中には那須ロイヤルホテルの招待状が入っていた。明子は、これは死んだ父親に
関わる事ではないかと考えた。
 実は明子の父親(小松方正)は、15年前に起きた4千万円のダイヤ盗難事件の
犯行グループの首謀者だったのだ。二人で那須へ向かい手掛かりを掴もうとするが、
指名手配中の犯行グループも集まっており、不測の事態に備えてSRIのメンバーも
ホテル関係者に変装して張り込んでいた。明子は父親の伝言に基づきダイヤを発見
するが、犯行グループの一人に追われて雪の舞う林に平原にと逃げ回ると、母への
想いが伝わったのか、そこへ突然、空いっぱいに母の顔をした巨大な「ゆきおんな」
が現れる。

◆・レビュー

 気象条件によって自分自身の影が雪のスクリーンに映し出される事があるという
≪科学的な説明≫がなされるのだが、それでは、ゆきおんなが犯人を追いつめる動きを
おこなった事の説明としては納得できない。ただ雪空に映っているのではなくて、
明らかに娘を助けようという意志を持っていたとしか思えないからだ。

 助かりたいという事と、亡くなった母への熱い想いを込めた明子の強い気持ちが、
無意識のうちに、ゆきおんなの幻影となって現れ、あのような動きを行ったのだと思う。

 娘の父親で悪役に扮した時の小松方正のあの表情と眼つき、いかにも悪賢そうな油断
できないオヤジというイメージが出ている演技は天下一品である。
泥棒仲間を裏切った過去を持ち、自分の手足となって動いてくれた若者も信用しない。
そう、誰も信用しないのだ。
 そうじゃないと、仲間を出し抜いてダイヤを一人占めして逃げ延びるような悪党には
なれないのだ。とはいうものの、それでも人の親だ。娘を想い愛情を捨てる事は出来
なかったわけで、そもそも、この事件は、せめて娘に一目会いたい、そしてダイヤを
渡したいという父親の熱い願いが、自身の隠蔽先の発覚、犯人グループの逮捕~撲滅
につながったのだから、自分で幕引きをしたようなものだ。

 蛇足だが、ホテルのディナーショーでのロイヤルダンシングチームの踊りは、
観なくても構わないと思えるほどの代物でしかないのが残念だ。

★・点数70点
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