ウルトラQ・第24話「ゴーガの像」 [ウルトラQ]

第24話「ゴーガの像」

監督 野長瀬三摩地 脚本 上原正三 特殊技術 的場徹
出演 佐原健二 桜井浩子 西條康彦 田島義文
ゲスト出演 松下達夫 笠間雪雄 田原久子 山県玲子 佐乃美子  

ゴーガ

◆・ストーリー

 羽田空港に到着した、アープ国駐在大使の娘が「ゴーガの像」と一緒に誘拐される。
古美術品の盗品コレクターによる窃盗事件に巻き込まれたのだ。放射線鑑定が行われた
為に、放射線の影響で像の中のゴーガが成長、復活し東京の街に現れる。



◆・レビュー

 爆発炎上する倉庫がタイトルバック、ウルトラQでは、珍しい始り方で、
まるでアクション映画みたいなのが新鮮だ。今回は半分はアクション映画のような構成で、
スリルとサスペンスを交えたユニークな内容で面白いのだが---

 ゴーガを攻撃するシーンで、とんでもないシーンが出てくる。
自衛隊のジープを運転するのが万城目淳。バズーカ砲の補助が一平、そして横には由利子
が座っている、唖然としか言いようがない。しかも任務終了後、この3人は当たり前のように
作戦指揮所らしき部屋に入ってくる。

 なぜこのような想像を絶するトンデモシーンを挿入するのか。
本来、自衛隊員以外は登場しないシーンである。脚本段階でおかしいと思わないのか。
上原正三のシナリオライター人生の中での最大のミスと言えよう。
3人とも民間人なのに軍事作戦、しかも、あの状況下では最前線での戦闘参加などという
事態は絶対に有り得ないのだ。謎の女性は「国際文化財保護委員会の調査員」等という、
仰々しく細かい肩書を設定しているのに対して、戦線が崩壊し、都市ゲリラ戦状態でもない
のに、自衛隊がなぜ民間人を参加させるような異常なストーリー展開になるのだろうか。

 沖縄出身の上原正三の思考の中に軍隊敵視、自衛隊蔑視や偏見の意識があるのならば、
非常に残念な事である。出来るならば、このシーンに関しての詳細な説明と自衛隊への認識
を知りたい。またプロデューサーや現場の制作スタッフは傍観していたのだろうか?

【関係者全員の頭の中がアンバランス】だったとしか思えないのだ。

 また、民間人3人が警察に通報しないで国際的な犯罪組織かもしれない危険な犯罪
グループのアジトに飛び込むなど無謀で非常識の極みである。

ウルトラQ全作品の中で、万城目らを民間人に設定した配役の最大のツケを払った回といえよう。

◆・点数20点(ジープによるバズーカ攻撃での民間人登用のシーンが無ければ90点)
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