恐怖劇場アンバランス 第6話「地方紙を買う女」 [恐怖劇場アンバランス]

◆・第6話「地方紙を買う女」

監督 森川時久  脚本 小山内美江子  原作 松本清張
出演 井川比佐志  夏圭子 山本圭 中島葵 

◆・ストーリー

 地方紙(甲信新聞)に「小説が面白いので」という理由で東京から購読の申込が
あったが、1ヵ月後に同一人物から「つまらないので辞める」という手紙が来た。
手紙の差出人は、バーのホステスで潮田芳子(夏圭子)という女性だった。

 小説家の杉本(井川比佐志)は、投書してきた女性に興味を持ち仲間のトップ屋(山本圭)
を使って、プライベートな事まで調べたところ、偽装心中事件の犯人だった事を見抜く。
不倫相手と、その女性を毒殺したのだが、その事件は地元の地方紙にしか掲載されて
いなかったのだ。

◆・レビュー

 杉本は、新聞社からの小説打ち切りの電話に対して、これからは形振り構わずジャンルを
問わずに書きまくって、自分を切った連中を見返そうと息巻くが、それは現実離れした強がりに
すぎない。「小説家を殺すには刃物は要らない、批判の投書とスキャンダルがあればよい」

 杉本が余計な好奇心を持ち深く追求しなければ、女性を自殺に追い込む事もなかったし、
自分が降ろされる事もなかったであろう。女性は自分を追い込んだ杉本を社会的に破滅させて
道連れにしたのだ。好奇心の強さが仇となったわけで、「一人で一生懸命生きてきた女の過去
をほじくる権利はない」というのは正論である。他人のプライバシーの探索は程々にしなさい
という教訓といえよう。恐怖劇場と言うよりは「サスペンス」であるが、杉本には非常に大きな
恐怖だったに違いない。

 偽装心中事件を起こしてから、犯罪が公になるのが気になるならば、1週間に一度、
その地方を訪れて図書館へ行き記事をチェックすれば良いと思うし、講読するのが不自然と
推測されたり、余計な邪心を抱かせる危険性があるのに気がつかなかったのは拙かった。
新聞は購読しない。現地にも行かないのが一番である。

★・点数70点

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